こんにちは。葉加瀬アカデミー専属バイオリニストのAyaです。
バイオリンが上手くなりたいからひたすら「練習」する・息ピッタリひくために何度も合わせるのは大事。しかし、楽器をひくことだけが練習ではありません。ひく練習と同じくらい大事なことは、CDや仲間などの演奏を聴いたり、プロオーケストラや有名な音楽家の音楽に触れることです。「それは音大生がする専門的なことでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、バイオリンを始めて間もない方から何年も経つ方まで、誰もが必要なことです。良い音楽を耳に入れなければ良いイメージは作れないと思います。音楽表現が難しいと思ってしまうのは、圧倒的に「聴くこと」が足りていないからです。
♪ソロでひく方にオススメの音楽の聴き方〜バイオリンを始めて間もない方・数年の方〜
始めて間もない方は、自分のバイオリンの音に慣れることや楽譜を見てひくことで頭がいっぱいになると思います。葉加瀬アカデミーを受講されている方は、曲などのレッスンの「お手本」をご覧になったことがあるかと思います。そのお手本を何回も聴いたり弓の使い方をみると音楽が耳にしっかりと入ってきて、お手本がどういう抑揚(音が大きい・小さいなど)を付けているか分かってくるようになります。すると、楽譜に書いてある強弱記号などの意味を理解することができ、「この辺りでこうするんだ」と自分なりにひき方が分かってくると思います。
最初は「ひきたい!!」という気持ちが大きいはずです。もちろん「ひきたい」という気持ちは大事なので、まずはひくことを優先してください。段々と余裕が出てきたら、お手本をじっくり見て聴いて「研究」してみてください。研究することも練習の1つです♪
♪ソロでひく方にオススメの音楽の聴き方〜バイオリンを始めて何年も経っている方〜
バイオリンを始めて何年も経っている方は、耳が肥えてきて「もっと〇〇な音を出したい・憧れの〇〇(演奏家)のようにひきたい」などと目標が出てくると思います。そこでオススメしたいのがCDの聴き比べです。これを行うことによって音楽表現は難しいという先入観は徐々に消えていくと思います。
「CDなんてどれも同じ」と思うかもしれませんが、よく聴くと細かい表現が各演奏者によって違います。聴き比べをして自分の気に入った表現を取り入れ、オリジナルにしていきます。
まず真似をしてみることが大事なんです。ひけばひく程「この部分はこういう風にした方がいいかな?」などと自分の思いも出てきて、表現をするのがとっても楽しくなります。例えば、イメージが赤色だった時、同じ赤でも「真っ赤な」赤なのか「くすんだ」赤なのかを考えるだけでも楽しいですし、楽譜を文章化しても面白いかと思います。私も最初から最後まで文章を書いてそれをイメージしながらひいたことがあります。
音楽に正解不正解はありません。
音楽を聴いて表現を感じ取ることは、バイオリンをひく上でとても大事なことです。一見地味なことのように思えますが、聴き比べをすることで表現の幅が広がってくると音色も変わってくるはずです。
♪弦楽合奏やオーケストラなど複数人数でひく方にオススメの音楽の聴き方
できるだけ演奏会に足を運ぶことをオススメします。なかなか難しい方は、CDを聴いて曲の最初から最後までどういう場面なのかをイメージするといいでしょう。原曲を聴かないで練習するのと聴いて練習するのとでは、聴いた時の方が圧倒的に曲の理解が深まりますし、指揮者が求めていることに対応できるようになります。
実際オーケストラ内で演奏する時には、できるだけ他の人の音を聴けるようにすることを心がけます。どういう風にひいているか、どういう姿勢でひいているかなど細かい所を見聞きできると、良い所を自分のものにできます。
いかがでしたか?
1番のオススメはできるだけ「生の音楽を聴きに行くこと」です。演奏会に行くことも「音を出さない練習」です。できれば1〜2ヶ月に1回など定期的に行くようにすると気持ちもリフレッシュできますし、良い音楽に触れることができ、音楽表現を学べ、視覚でもいい所をたくさん自分のものにできます。
音を出さない練習も立派な練習方法です。作曲家のパガニーニは、音を出さずに「楽器を構えるだけの練習(イメージトレーニング)」をしたと言われていますし、クライスラーは「練習は頭でするものだ」と言ったと伝えられています。
ぜひ頭の中で音を鳴らしてイメージできるくらい音楽を聴いてみてください。
きっと少しずつ世界観が変わってくると思います。
※この記事は、葉加瀬アカデミー専属バイオリニストAyaさんが書いた原稿を、担当者が編集したものです。
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