夏場のバイオリンの保管方法
2023.07.31

こんにちは。葉加瀬アカデミー専属バイオリニストのAyaです。

今年も暑い夏がやってきましたね。皆さんは今の時期、バイオリンをどこで保管していますか?夏場はどの部屋も暑いし…と置き場所を悩んでいる方が多いのではないかと思います。

今回は、夏場のバイオリンの保管方法や気をつけないといけないことを考えていきたいと思います。

♪バイオリンの快適な保管環境

日本の夏はヨーロッパに比べると湿気が多いです。今年の夏は猛暑と言われていて温度も高くなっています。できる限り快適な環境で保管するのが理想です。しかし、楽器屋さんのように温度管理できる部屋があればいいのですが、ずっとエアコンをつけっぱなしは現実的ではありません。

気をつけたいポイントは2つあります。

①直射日光が当たらないようにする
直射日光によって「膠(にかわ)」という接着剤が溶けてしまう可能性が高いため注意しましょう。できるだけ風通しのいい所に置くのが理想ですが、人が暮らしている環境であれば基本的には問題ありません。

②エアコンの風が直接当たらないようにする
エアコンの風に直接当てることも避けましょう。

バイオリンにとって快適な環境は、演奏者にとって快適な環境だとバイオリンマイスターの茂木さんはおっしゃっています。葉加瀬アカデミー会員の方は「Lesson 09 楽器と弓のメンテナンス (B01-01-09) 」をご覧頂いたことはありますか?まだの方はぜひ一度ご覧になってみてください。

♪夏場で気を付けるポイント〜夏場の車内〜

夏場の車の中は、エアコンが効いていないと急激に温度が上昇します。ほんの数分だからと言って車内に楽器を置かないように気をつけてください。夏場はどこに行くにも肌身離さず持つことをお勧めします。

歩いているだけでも汗をかいてしまうこの時期、日傘をさす方は日傘でガードするだけでも結構違いますよ!

♪夏場で気を付けるポイント〜少しの変化に気づく〜

①音の変化
私はビオラも弾きます。私のビオラは高温多湿になると、ケアをしていても音がこもってしまったり自分の思っている通りの音が出ないので、乾燥剤をこまめに替えたりして今年は乗り越えられそうです。少しの音の変化にも気づけると、どういう対策ができるか分かります。毎回、開放弦で各弦を弾くと変化が分かるようになると思います。

②チューニング時のペグの回り方
湿度が高い梅雨〜夏場は、ペグが硬くなってしまうことがよくありますが、皆さんの楽器はいかがですか?

この時に役立つアイテムが「ペグコンポジション」です。ペグコンポジションは、ペグの滑りを良くするためによく使われます。茶色いチョークになっていて、ペグが「ギギギギ」と鳴ったりペグの回りがスムーズでない時に、糸巻き部分にペグコンポジションを塗ると滑りが良くなり、チューニングがスムーズにできるようになります。

年間通して使うものではないため、購入を迷われる方が多いと思いますが、1本持っておくと安心です。

♪Ayaのお勧め湿気対策方法

①楽器ケースを除湿する
なかなか盲点かと思いますが、楽器ケースにも湿気は溜まります。ケース内から中身を全て出して湿気を逃すことで、楽器にとって安心な環境になると思います。特に雨の日に外出する時、帰宅後にケースを除湿するだけでも結構違います。

②乾燥剤などのグッズを入れる
乾燥剤といってもお菓子に入っているようなシリカゲルではなく、必ず「楽器専用の除湿剤」を使ってください。オススメは「ドライフォルテ(弦楽器用除湿剤)」で、防カビや消臭の効果もあります。ケースの中に入れたからといって過度な乾燥はしないので心配はありません。乾燥剤(夏)と保湿剤(冬)の入れ替えが面倒な方は、1年中使える「モイスレガート」がお勧めです。

いかがでしたか?
この暑い時期、対策をしていても楽器にダメージがあります。少しでも違和感があったら楽器屋さんにメンテナンスをお願いしましょう。

「バイオリンにとって快適な環境=演奏者にとって快適な環境」ですので、少し暑いなと感じたらバイオリンも暑い・ジメジメして不快と感じたらバイオリンもきっと同じことを感じているはずです。楽器にとって快適な環境作りができるといいですね♪

※この記事は、葉加瀬アカデミー専属バイオリニストAyaさんが書いた原稿を、担当者が編集したものです。

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