音符は読めるのにリズムが苦手・・・読譜が苦手な方にお勧めの練習方法
2021.04.08

こんにちは。葉加瀬アカデミー専属バイオリニストのAyaです。

楽譜に書かれている音符が、ドなのかミなのか、何の音なのか。音符を読むことはとても大事です。でもそれが分かっても、楽譜に書かれている曲がどんなメロディーなのか分かるでしょうか?

音符が読める=楽譜が読めるではなく、音符とリズムが読めて初めてどんな曲なのかが分かってきます。楽譜を見るとき、まずは「ドレミファソラシ」の何の音かを重視してしまいますが、「リズムを読む」こともとっても重要なことなのです。楽譜を読むのが苦手という理由の大半が、リズムがネックになっていることが多いです。
これを書いている私も小さい頃、聴音と言ってピアノ等で弾いてもらったメロディーを楽譜に書いていく練習で、音は書けているのにリズムを何となく書いてしまい間違いが多かったのを覚えています。

憧れのバイオリンを習い始めたのはいいものの、こんなことはありませんか?
・音符は分かってもリズムがどういうリズムか分からない
・先生のお手本を聴いてそれを真似して弾いていたので、いざ楽譜を見るとリズムを何となく弾いてしまう
・ト音記号の横の数字の意味が分からない

今回は、楽譜を読むことが苦手な方のこのようなお悩みを解決していきましょう。楽譜が読めたら演奏するのがもっと楽しくなると思います。

【ドレミを読むより拍子を確認】
楽譜のリズムを読むために大切なのは「拍子」です。
拍子が分からないとリズムを読むことは難しいと言えます。では拍子とはどういったものでしょうか?

「拍子」とは楽譜のト音記号の右側に書いてある数字で、1小節内の拍数を分数で表します。分母には基準となる音符の種類、分子には1小節の中に音符がいくつ含まれるかが記されます(楽譜に縦線が引いてありますがこれを小節線といい、小節線と小節線までの間を1小節と呼びます)。

(例)
4分の4拍子・・・1小節に4分音符4つ
4分の3拍子・・・1小節に4分音符3つ
4分の2拍子・・・1小節に4分音符2つ
2分の2拍子・・・1小節に2分音符2つ
8分の6拍子・・・1小節に8分音符6つ

【リズムを1拍ずつ考える】
リズムを読む時には、1拍ずつ捉えて考えると分かりやすいと思います。1小節内が4分音符だけで書かれている場合は「4分音符1つ=1拍」なので1、2、3、4と数えることができます。

難しくなるのは、4分音符以外の音符の場合です。例えば、8分音符+8分音符=4分音符となりますので、1拍で8分音符2つ分と数えることになります。また、16分音符×4=4分音符となりますので、1拍で16分音符4つ分と数えることができます。

【代表的な各拍子の音楽】
・2拍子
マーチなどの行進曲や舞曲によく使われています。

・3拍子
ワルツ、メヌエットなど、舞踏音楽に多く使われています。

・4拍子
現在最も耳にする機会の多い拍子と言えます。
童謡、ポップス、ロック、ジャズ、クラシックなど幅広く使用されています。

【リズムを克服するには】
理屈としてリズムの読み方は分かっても、リズムを取ることが難しいかもしれません。しかし、リズムが取れないと、結局は演奏に影響してしまいます。ここで、リズムを正確に取るための方法と注意点をご紹介します。

♪メトロノームを使う
メトロノームは正しいテンポを示してくれるので、リズムの練習には最適と言えます。4分の4拍子の想定で♩=60のテンポで鳴らして以下の手順で練習しましょう。

①メトロノームの速さに合わせて手を叩く
必ず「1、2、3、4」と声に出して叩きます。慣れてきたら、「1」を強く叩いてみます。そうするとしっかりと4拍子ということを実感できます。

②裏拍を叩く
慣れてきたら、メトロノームの音を表拍として、手で裏拍を叩いてみましょう。オーケストラのVn2パートでよく裏打ちのリズムが出てきますので、マスターしておくとあらゆる場面で役立ちます。

③音符を細かくして叩く
8分音符8つ分にして叩いてみましょう。ついつい速くなってしまいがちですが、メトロノームの速さを意識しながら叩くことが大事です。

♪簡単な曲でリズム打ち
例えば、Lesson 04 「喜びの歌(交響曲第9番)」 (F02-01-04)の曲を使ってリズム打ちをしていきます。
Lesson 04 「喜びの歌(交響曲第9番)」 (F02-01-04)※正会員様はリンクからご覧いただけます

①バイオリンの音をOff
必ずバイオリンの音をOffにしてから伴奏音源を流してメロディーのリズムを叩きます。

②1、2、3、4を言いながら叩く
同じく伴奏音源を流しながら、今度は「1、2、3、4」を言いながらメロディーのリズムを叩きます。必ずしも、1、2、3、4の位置でリズムを叩くとは限らないので、そこがつられてしまうかもしれません。最初は難易度が高く思えますが、何回も反復練習することで自然とできるようになります。

③手拍子しながら歌う
1、2、3、4を感じながら手拍子します。音名で歌える方は音名、ちょっと自信ないという方は鼻歌感覚でいいので歌ってみてください。音程は取らなくて大丈夫です。リズム打ちとセットでできると効果的です。

いかがでしたか?
曲がスムーズにリズム打ちができ歌えるようになると、バイオリンでも「弾けます!」。それはピアノであっても他の楽器であっても同じです。
この音符はいくつ伸ばしてこれはこの長さで・・・と考えるだけで最初は時間がかかります。私もリズムでつまずいていた頃はそうでした。

私の克服法は、とにかくたくさんのリズムパターンを叩くことでした。リズムの本を買って、メトロノームを鳴らしてスムーズに叩けるまで何回も叩いていました。するとリズムが形になって見えるようになってきて、いつの間にかリズム打ちが得意になっていました。

楽譜は音読みだけではなく、リズム取りもあり挫折しそうになる時もあるかもしれませんが、色々なリズムを叩いてみると、あっという間に楽譜がスムーズに読めるようになっているかもしれません。ぜひお試しください♪

※この記事は、葉加瀬アカデミー専属バイオリニストAyaさんが書いた原稿を、担当者が編集したもので

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