こんにちは。葉加瀬アカデミー専属バイオリニストのAyaです。
バイオリンを1人で弾くにも大人数で弾くにも、「チューニング」は必須です。
チューニングが苦手な方は多く、私の生徒さんでも大多数を占めていました。「ペグを使うとどうしても時間がかかってしまうこともしばしば…どうやったら時間をかけずにチューニングができるの?」という質問は絶えず頂いていました。
チューニングは慣れ、と言ってしまえばその通りなのですが、今回は、時間をかけずにチューニングをするためにはどうしたらいいか?というポイントを、実際に私が行ってきた指導法も併せてご紹介していきます。
♪チューニングの仕方
①まずはチューナーを用意
チューニングには欠かせないのがチューナーです。チューナーとメトロノームが一体になっているもの、楽器のペグ周りにつけるクリップ型のもの、スマートフォンのアプリなど、いろいろな種類がありますので、ご自分の使い勝手のいいタイプを選んでお持ちになるといいでしょう。
チューナーを持っていても、スマートフォンにもチューナーのアプリをダウンロードしておくと、いざという時に役立つのでおすすめです。私もアプリを入れています。
②弦の合わせ方
まずはA線を合わせ、次にD線→G線→E線の順にチューニングを行っていきます。
オーケストラでは基本的にオーボエのラ(A)の音で合わせることが多いです。A線を合わせた後、A線とD線→D線とG線→A線とE線の順に合わせていきます。
♪ペグを回す時のポイント
①コツさえ知っていれば何も怖くない♪
私も初めてチューニングをした時は、怖くてペグが回せなかった記憶があります。ですが、コツさえ知っていれば何も怖いものはありません。
「ペグを少し緩めてから回す」
ことを常に意識してみてください。これができれば、無理な力が入って弦が切れてしまったという事態を避けられます。
②ペグが止まらず戻ってしまう時
今のように乾燥している時期は、どうしてもペグが止まらず戻ってしまうことがあります。そのような時は、ペグを回す時に適度な力で押し込みながら回すのがポイントになります。
③ペグを回した時に弦が切れてしまう原因
チューニングで弦を切ってしまった方はたくさんいらっしゃると思います。私も何度か切ってしまったことがあります。
弦が切れる原因は、
・焦ってペグを回してしまった
・ペグを回すスピードが速すぎた
・一度ペグを緩めることをせずにそのまま力ずくで回してしまった
こんなところでしょうか。
常に「ペグを少し緩めてから回す」ことを意識してみてください。
④弾きながらチューニングするのが難しい場合の対処方法
弾きながらペグを回してチューニングする姿はカッコいいですが、バイオリンを始めて間もない方にはなかなか難しいことです。
無理に頑張って行おうとすると、余計な力が入り弦を切ってしまったり、チューニングするだけで疲れてしまいます。まずは弾きながらではなく、楽器を膝の上に置いて、右手で弦をはじきながら左手でペグを回すことに慣れましょう。
♪どうすれば弾きながらペグを回すチューニングに慣れるの?
私がレッスンで行っていたことは、まず楽器を構えた状態でペグを回すことに慣れる練習です。最初から「音を合わせなきゃ」と思うと余計な力が入ってしまいますので、以下の順番で練習していくことも1つの方法かなと思います。
①楽器を構えた状態で、左手でペグを緩めて回す作業をする(E線以外)
ペグを親指と人差し指で挟むことで回しやすくなります。各弦のペグを回す時に、他の指をどの部分に引っ掛けると回しやすいかを見つけるのが1番のポイントかなと思います。
②①が出来たら、今度は弓で弾きながら、左手でペグを緩めて回す作業をする(E線以外)
この時に音を合わせる必要はありません。弾く時は弓先でゆっくりと弾くと音が均等な大きさになるので、音がクリアになりやすいです。弓に余計な力がかからないように、綺麗な音が出るように意識をします。
まずはチューニングで音を合わせることよりも、チューニングをするフォームに慣れる練習に重点を置きました。併せて、やってはいけないことが知識として増えるので、トラブル防止になり一石二鳥かなと思います。地味な作業ですが、これはとっても大切です。
その後、実際にチューナーを使って音合わせを1弦ずつ行います。すると今までよりもスムーズにチューニングができませんか?
チューナーの針の意味、ペグを使う時のポイント、チューニングの仕方などは「Lesson 05 ヴァイオリンの調弦(チューニング) (E01-01-05)」のレッスンで詳しく説明させて頂いておりますので、ぜひご覧ください。
※正会員様はリンクから教材をご覧いただけます。
いかがでしたか?
しっかりとチューニングの前の段階の作業を行うことで、一気にチューニングが上達しますし、時間がかからなくなります。ペグを回す時は「一度緩めてから回す」ことを意識すると、弦が切れたりすることを防げます。
チューニングの前の段階の作業、取り入れて下さる方が増えたら嬉しいです。
※この記事は、葉加瀬アカデミー専属バイオリニストAyaさんが書いた原稿を、担当者が編集したものです。
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