バイオリン一問一答〜楽器の付属品・消耗品に関するあれこれ〜
2021.01.14

こんにちは。葉加瀬アカデミー専属バイオリニストのAyaです。

今回は、「楽器の付属品・消耗品に関するあれこれ」と題して、一問一答形式で、実際によく受ける質問に対して解決法などを答えていきたいと思います。

〜松脂〜
♪松脂はどのくらい塗ればいいの?
弾く度に毎回約2〜3往復です。普段の練習の際、ゴシゴシと塗るのではなく、弓元〜弓先でゆっくりと塗るのがお勧めです。ゴシゴシ塗ってしまうと、塗れているところと塗れていないところが出てくることがあるので、ゆっくりと塗るのがいいでしょう。

♪毛替えしたての弓には、どのくらい松脂を塗ればいいの?
毛替えしたてや新品の弓は、そのまま演奏してもツルツル滑ってしまって音が鳴りません。毛替えしたてのツルツルの毛には、松脂を十分に塗る必要があります。馴染んできたら弾く度に2〜3往復塗るといいです。

♪使用期限はあるの?
諸説ありますが、永久的に使えるものではないと思います。保管状態にもよりますが、10年ほどで劣化してくるように思います。

・松脂のオイル成分がなくなる(ベタつき感がない)
・落としてしまって松脂が砕けたり割れてしまった

この2パターンが、松脂が使えなくなる原因となります。

松脂がちゃんとついている感じがなかったり割れてしまったら、思い切って松脂を変えることをお勧めします。

♪種類がたくさんあるけど、どうやって選べばいいの?
松脂は粒子の細かさや硬さ・柔らかさによって弾きやすさ・発音に変化が出てきます。色によって軽い音色や澄んだ音色がするものなど様々です。

・黒色
松脂に粘度が加えられており、柔らかいです。
「粉がつきやすい・塗りやすい・弾き始めに引っかかりやすい」という特徴があるので初心者の方にお勧めです。よく粉がつくので付けすぎには注意が必要です。

・茶色orオレンジ色
茶色もしくはオレンジ色に近い茶色をしていて、サラサラとしています。夏場でもさらっとしていて溶けにくく、音に軽さがあります。

葉加瀬アカデミーの「Lesson01-03-02 松ヤニ」で、葉加瀬校長とバイオリンマイスター茂木さんによる松脂についての解説動画がご覧頂けます。
Lesson01-03-02 松ヤニ
※正会員様はリンクからご覧いただけます

〜肩当て〜
♪「肩当てがしっくりくる」とはどんな感覚?
楽器を構えて、左手を離した時、顎に余計な力が入っていないのがしっくりくる状態です。
左手を離した時、楽器がずるっと落ちてきてしまうのは肩当ての高さや向きが合っていない証拠です。ちょっとずつ向きをずらしたり高さを変えることで、自分のベストな位置が見つかるはずです。

♪肩当ては絶対に必要?
絶対に必要ではありません。私自身、肩当てをつけないで練習したことがありましたが、姿勢が悪くなってしまうので、今はつけています。
無理して首を縮めて演奏するのは身体に相当な負担がかかりますので、普段の姿勢に近い状態でバイオリンを構えるのが理想です。そのために肩当てが必要か必要でないかを判断します。

♪肩当ての選び方は?
ご自分の肩にフィットする肩当てを選ぶために、ポイントをおさえておきましょう。

・形状がブリッジタイプの肩当て
肩当てをしっかりと固定させて弾きたい方は、ブリッジタイプの肩当てがお勧めです。脚がしっかりしているので、演奏中にずれてしまうのを防ぐことができます。

・プラスチック製の肩当て
楽器屋さんで売られている初心者のバイオリンセットについてくる肩当てのほとんどが、プラスチック製の「KUN」が多いように思います。軽量で価格もお手頃ですので、始めたての方は「KUN」がお勧めです。

・木製の肩当て
木の素材によって響きが変わってきますが、木製の肩当てはよく響きます。
肩にフィットする・しないがはっきりするので、必ず試奏をしてからの購入をお勧めします。

・カーボン製の肩当て
種類は限りがありますが、プラスチック製の軽さと木製の響きの両方を兼ね備えた肩当てです。軽いのがいいけど音の響きも追究したい、という方にお勧めです。

〜ペグ〜
♪ペグが硬い時の対処法は?
梅雨時や夏場の湿気が多い時にペグが回りにくくなります。この場合は、リップスティック状の「ペグコンポジション」をペグとペグボックスが擦れ合う所に塗って、ペグを差し込んで全体へと伸ばします。馴染むと、滑りがよくなりスムーズに動かすことができます。

葉加瀬アカデミーの「Lesson01-05-01 ペグ」で、バイオリンマイスター茂木さんによる解説動画がご覧頂けます。
Lesson01-05-01 ペグ
※正会員様はリンクからご覧いただけます

♪ペグが戻ってしまう時の対処法は?
硬い時は湿気の影響で回りにくいのですが、逆にペグが戻ってしまう時は「乾燥」が原因になります。今の時期、ケースを開けたらペグが戻っていたという声がとても多いです。

対処法としては、ペグを押し込みながら回すことです。また、ケース内に加湿剤を入れておくとかなり違いますので、加湿剤を入れていない方はぜひ試してみてください。

〜弦〜
♪無難な弦は?
無難な弦といえば「ドミナント」です。
初心者用のバイオリンのほとんどに張られていることが多いです。どの楽器にも合います。定番の弦で、お値段もお手頃なのでバイオリンを始めたての方にお勧めです。

♪弦の選び方は?
楽器によって合う・合わないがあるので、何種類も弦を試すことが大事です。
好きな音の傾向で選ぶ弦の種類が変わってきます。

(例)
・柔らかい、深みがある音
オブリガート、インフェルド赤

・発音がはっきり、パワフルな音
パーペチュアル、エヴァピラッツィ

♪E線には弦の先端部分が2種類あるけど何が違うの?
「ボールエンド」と「ループエンド」の2種類あります。「ボールエンド」は弦の先端に丸い金属が付いており、「ループエンド」は弦の先端部分が輪っかになっているのが特徴です。購入前にご自分の楽器がどちらのタイプかチェックしてみて下さい。

いかがでしたか?
今回は消耗品や付属品についてまとめました。意外と知っているようで知らなかったことはありませんでしたか?
人に聞きづらいことはこの一問一答で解決していきましょう。

次回は一問一答〜メンテナンス編〜をお届けします。お楽しみに♪

※この記事は、葉加瀬アカデミー専属バイオリニストAyaさんが書いた原稿を、担当者が編集したものです。

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