音階の仕組みと♯・♭の数の覚え方
2021.04.01

こんにちは。葉加瀬アカデミー専属バイオリニストのAyaです。

バイオリンを弾く上で、音階練習は音程を確かめる大切な練習になります。音階は音の並び(隣の音との幅)によって名前や雰囲気が変わります。レッスンで「この曲は何調?」と聞かれることがあると思いますが、答えられますか?レッスンでは弾くことがメインとなり、音階の理論を教わる時間があまりないと思いますので、音階の仕組みを理解するのが難しいと思います。今回は、音階の仕組みと、♯と♭の数の覚え方について考えていきたいと思います。

1、音階とは
2、音階の1音1音の役割
3、ドレミファソラシド(ハ長調)の仕組み〜テトラコードを覚えよう〜
4、♯と♭の数の覚え方
5、調の呼び方
6、平行調とは

1、音階とは
音階は、名前の通り音の階段で、1オクターブの中に7つの音を配置した音列です。英語でスケールとも言います。作曲家は、30種類の音階からその曲に合った音階を選んで曲を作ります。

音階には長音階と短音階(①自然的短音階、②和声的短音階、③旋律的短音階)があります。

【長音階】
主音(第1音)から「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」の順番で7つの音を並べた音階です。

【短音階①自然的短音階】
短音階とは、長音階の第6番目の音からスタートしている音階です。自然的短音階とは、長音階と全て同じ音で、長音階の第6番目の音からスタートしている音階ですが、主音に戻る時に違和感があります。それを解決してくれるのが次の和声的短音階です。

【短音階②和声的短音階】
自然的短音階の主音の前の音(第7音)を半音上げたのが和声的短音階です。主音との間隔が半音になることで、主音に戻る時の違和感が解消されてしっくりきます。

【短音階③旋律的短音階】
和声的短音階では、主音の前の音(第7音)を半音上げたことで少しアラビアンチックな音列に聞こえます。それを解決するのが旋律的短音階です。この音階では、上行形で第6、7音を半音上げ、下行形で半音上げた第6、7音を元に戻します。上行形と下行形の形が違うので注意が必要です。

2、音階の1音1音の役割
音階の1音1音には役割があります。ハ長調の「ドレミファソラシド」で考えてみます。

①第1音(ド):「主音」と言います。その調の始まりの音で、大抵の曲は主音で終わります。長調も短調も調の名前は主音で始まっています。

②第2音(レ):「上主音」と言います。主音の次の音で、主音と第3音を繋ぐ音になります。

③第3音(ミ):「上中音」と言います。この第3音で長調か短調か判断できます。短調の第3音は、長調の第3音より半音低くなります。

④第4音(ファ):「下属音(サブドミナント)」と言います。第1音と第2音、第2音と第3音の間の音の幅はいずれも「全音」でしたが、第3音と第4音は「半音」の音の幅になります。

⑤第5音(ソ):「属音(ドミナント)」と言います。音階の2つ目のテトラコード(次項「3、ドレミファソラシド(ハ長調)の仕組み〜テトラコードを覚えよう〜」で詳しく説明)は属音から始まります。とても大切な音です。

⑥第6音(ラ):「下中音」と言います。長調の第6音は短調の主音になります。これを知っていると長調と短調をセットで覚えられます。

⑦第7音(シ):「導音」と言います。音階のラストの音になり、主音へ導いてくれる音になります。

3、ドレミファソラシド(ハ長調)の仕組み〜テトラコードを覚えよう〜
ドレミファソラシド(ハ長調)を例に、長音階がどのような仕組みになっているのかご紹介します。
まず長音階は、主音(第1音)から「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」の並び順になっています。

よく見ると…
ドレミファソラシドは2つにグループ分けすることができます。
①ドレミファ
②ソラシド
両方とも「全音+全音+半音」の関係になっています。これを「テトラコード」と言います。テトラコードとテトラコードを全音で繋げることで長音階が出来上がります。

4、♯と♭の数の覚え方
五度圏という円のグラフを見たことがある方もいらっしゃると思いますが、先程の「テトラコード」で考えるととても楽に覚えられます。

ハ長調の「ドレミファソラシド」を2つのテトラコードにグループ分けすると①ドレミファ ②ソラシドです。この②ソラシドから音階を始めると①ソラシド ②レミファ(♯)ソ とト長調になります。その繰り返しで、次はレミファ(♯)ソからニ長調の音階が始まる…ということになり、そうすると、ト長調が♯1個・ニ長調が♯2個となります。その調の属音が必ず次の調の主音になりますので、仕組みが分かりやすくなると思います。

♯と♭はそれぞれ最大7個付きます。それぞれ♯と♭がつく音の順番を表にしてもわかりやすいかなと思います。

5、調の呼び方
3通りの呼び方があります。「ドレミファソラシド」で考えます。
①日本語:ハ長調
②ドイツ語:C-Dur(ツェードゥア)
③英語:C Major(シーメジャー)

クラシックはドイツ語、ポピュラーは英語をよく使います。

6、平行調とは
全く同じ音で構成されている長音階と短音階の関係性を「平行調」と呼びます。長音階の第6音が短音階の主音になります。ハ長調で考えると、第6音が「ラ」なので、ハ長調の平行調は「イ短調」になります。ト長調は第6音が「ミ」なので、ト長調の平行調は「ホ短調」となります。

いかがでしたか?
音階の仕組みをご理解頂けたでしょうか?仕組みが理解できると♯や♭の数も自然と理解することができます。音階を2つのグループに分けることがポイントになります。

併せて音の役割も理解できると、曲を弾いた時に次の音が予測しやすくなり、弾いていて楽しくなってきますよ♪

※この記事は、葉加瀬アカデミー専属バイオリニストAyaさんが書いた原稿を、担当者が編集したものです。

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