難しいパッセージの練習方法と部分練習の大切さ
2021.05.13

こんにちは。葉加瀬アカデミー専属バイオリニストのAyaです。

バイオリンを練習していると、ご自分の苦手な部分や難しいパッセージで弓や指が止まってしまうことはありませんか?私も小さい頃、挫折しかけたことが何回もあります。

皆さんは、曲の部分部分でつまずく場所や弾きにくいなと感じる所はどうやって練習していますか?

・その部分だけ切り取って練習していますか?
・それとも全体を通す練習をしていますか?

全体を通す練習はとても大切です。一方で、なぜ部分練習が大切なのでしょうか?
今回は、曲の難しい部分の練習方法、部分練習の大切さをピックアップしていきたいと思います。

Lesson48-05-03 メヌエット
※正会員様は各Lessonのリンクから教材をご覧いただけます。

上記のLessonを例に、実際にどのような練習をしたらいいのかご紹介していきます。
※このLessonの場合、曲の冒頭部分のみですので9小節になります。

①「Lesson48-05-02 付点スラーを意識する」で、曲全体のイメージをする
付点8分音符と16分音符のスラーを意識した練習になります。
このLessonは、「Lesson48-05-03メヌエット」の音符を簡易的にしたものです。簡易的になっている楽譜でしっかりとカウントを取れるようにイメージしましょう。

実際のメロディーを口ずさみながら弾けるようになると、「Lesson48-05-03 メヌエット」を弾く時に止まることなく弾けるかもしれません。

②「Lesson48-05-01 一弓の付点スラー」で付点8分音符+16分音符のスラーのリズムに慣れる
この練習は、弓を全て使い、付点のスラーを均等に入れることを目的としています。「Lesson48-05-03 メヌエット」は、2.6小節目のような、付点8分音符+16分音符が3つの一弓スラーが特徴です。

4分の3拍子なので、1小節で3拍伸ばすことになりますので、まずは開放弦で3拍伸ばしてイメージします。このイメージを大切にして左指をつけていきますが、16分音符を押さえる時に、右手も一緒に連動して弾き直したりアクセントにならないように気をつけることがポイントになります。

一弓で弾くのが難しく感じるようであれば、1拍ずつ返してリズムに慣れていきましょう。
また、「Lesson48-04-02 異なる音のスラー」で、滑らかに弾くことを練習してから「Lesson48-05-01 一弓の付点スラー」に移行するとスムーズに弾けるかもしれません。

③8小節目のスラーの練習
「Lesson48-05-03メヌエット」の8小節目は8分音符6つですが、スラーで2つ+4つに分かれています。

・この時の弓のスピードは?
→3つ+3つや2つ+2つなど、同じ音符の数で分かれたスラーであれば弓のスピードは変わりませんが、この場合は2つ+4つになりますので、2つスラーの方が弓のスピードが速くなるのが正解です!

・どういう練習をしたらいい?
→この場合は、いきなり楽譜通りの音符のスラーではなく、開放弦で1拍(ダウン)・2拍(アップ)の弓使いに慣れていきましょう。メトロノームを使うとリズムが安定しますので効果的です。1拍(ダウン)・2拍(アップ)の時に「速い・遅い、速い・遅い」と言いながら開放弦を弾くと、だんだんと右手が言うことを聞くようになるかなと思います。

④全体を通しで弾いて、弾けなかった所をピックアップする
全体を通しで弾いて、「ちょっとここが弾けなかったな」という所をピックアップします。

弾けない部分があっても通し練習をメインにするのと、部分練習も交えて練習するのとでは、どちらが全体のクオリティーが上がるでしょうか?私は後者だと思っており、自分の生徒にもそのように伝えています。それはなぜでしょうか?

【部分練習の大切さ】
通し練習をメインにしてしまうと、練習したという達成感だけが先行して、弾けなかった所は「まあいいか」という感じになってしまうことがあります。そうならないためにも、部分練習が大切になります。短時間で苦手克服できたり、できなかった所ができるようになったことがすぐ実感できるようになる有効な練習方法です。

もちろん、全体の曲の構成などを見るために通し練習は有効です!
全体を見て、この部分はこう弾くと良いとか、あの部分はこう弾いたら綺麗とか分かってきますので、とてもいい練習です。それにプラスして、部分練習をすると効果が現れるのが早くなります。

【部分練習の仕方】
部分練習といってもどのように練習するのでしょうか?

①弾けなかったパッセージのみ取り出す
弾けなかった部分をスラスラ弾けるようになるまで練習します。地味な練習で先が見えないと思いがちですが、効果的です♪

②弾けなかったパッセージの小節全体を弾く
①がスラスラ弾けるようになったら、今度はそのパッセージの小節全体を弾いてみます。それもスラスラ弾けるようになるまで練習していきます。

③弾けなかったパッセージの前後の小節を足して弾く
②がスラスラ弾けるようになったら、今度はパッセージの前後の小節を足して弾いてみます。前後の小節も併せて弾くのがポイントになります。

④前後の2〜3小節を足して弾いてみる
先が長いと思われるかもしれませんが、③で弾けた小節の前後2〜3小節を足して弾いてみます。それの繰り返しになります。
何回連続でスラスラ弾けたという「ゲーム感覚で」練習してみるのも面白いかもしれませんね。

【全体の練習像】
全体としてはどのような練習をするのか、全体の練習像を考えていきたいと思います。
※練習する方それぞれ、または先生によって考え方は十人十色です。これが正解という訳ではなくあくまでも一例です。

全体通し(この時に録音や録画をすると、どこが弾けなかったかすぐに分かるのでお勧め)

弾けなかった部分を取り出して弾く(3回以上間違えないでスラスラ弾けたらより良い)

弾けなかった部分の前後の小節を繋げて弾く

だんだんと小節を長くして弾いてみる

全体通し(録音や録画をして、最初の全体通しと聴き比べてみてください。部分練習の効果が出ているかも!?)

いかがでしたか?
部分練習の大切さをお分かりいただけたでしょうか?もちろん、練習時間が限られていると思いますし、まとまった練習時間が取れないことの方が多いと思いますので、「今日は〇〇の部分練習だけ」「今日は通し練習だけ」「今日はこの前の通し練習でできなかった所を中心に」といった練習も効果的だと思います。

ご自分のライフスタイルに合った練習方法を見つけられることを願っています♪

※この記事は、葉加瀬アカデミー専属バイオリニストAyaさんが書いた原稿を、担当者が編集したものです。

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