乾燥の季節に知っておきたいバイオリンの豆知識
2024.12.20

こんにちは。葉加瀬アカデミー専属バイオリニストのAyaです。

空気が乾燥する季節になりました。今回は、今の時期に備えると良いことは何か、知っておきたいバイオリンの豆知識をご紹介したいと思います。

♪楽器や弓が乾燥すると…

適度な乾燥の場合は楽器が良く鳴って良い音がしますが、乾燥の「しすぎ」は音が細くなりパワーが出なくなってしまいます。鳴りが普段と違うので分かると思います。

楽器の場合、乾燥するとペグが緩んできます。
緩むと駒が傾いてしまったり、駒が倒れて魂柱まで倒れてしまうこともあります。もし魂柱が倒れてしまったら、すぐに楽器屋さんで直してもらってください。

弓の場合、弓の毛は人の髪の毛と同じように、乾燥すると縮んで湿気が多いと伸びます。
弓を張ったままケースにしまうと、毛の収縮に耐えられず弓自体がバーンと折れてしまうこともありますので、弓をしまう時は必ず緩めたかどうか確認してください。

演奏する時も乾燥していると、本来張った状態よりもさらに張ってきてしまいますので、演奏中も張りすぎていないかをこまめにチェックすることが必要です。

♪Ayaおすすめ乾燥対策3選

気軽にできる順にご紹介します。

①モイスレガート

年間を通して使えるシートで、夏場には除湿剤として、冬場には加湿剤として使える優れものです。除湿剤と加湿剤を入れ替えるのが面倒な方におすすめです。

ただ「2年間」という有効期限がありますので、開封日時を小さく書いておくことをおすすめします。

②加湿器

寒くなると皆さん暖房を使用すると思います。暖房こそ乾燥の原因になりますので、ぜひ加湿器と併用してください。蒸気が気になる方は、ペーパー式の水につけるタイプか陶器タイプが安心です。

③ダンピット

楽器に直接入れる「ダンピット」は、水分を含ませて水気を拭いてからf字孔に入れるので、より乾燥から保護してくれます。乾燥時期に楽器が鳴りにくいと感じている方は、一度お試しいただくと音が変わってくるかもしれません。木は水が少しでもかかるとカビてしまいますので、ダンピットを入れる際には水が垂れないよう水気を拭いてから入れるようにしてください。

特に乾燥している時期は、1日でダンピットが乾いてしまう時もありますので、毎日のように楽器ケースを覗かないといけないのが負担になるかもしれませんが、ダンピットがあると安心です。

私は乾燥時期にはダンピットとモイスレガートの両方を使っています。

♪スポットライトが当たる場所での演奏に注意

ホールや小さなライブハウスなど、スポットライトが当たる場所で楽器を弾く場合、ライトで乾燥します(ちなみに夏場でもライトと空調で乾燥しますので注意!)。

乾燥するとペグが緩む可能性が高いので、本番前にペグを若干硬めに巻いておくといいと思います。

♪弦の予備を常備しておく

乾燥によって弦が切れてしまうことがありますので、弦の予備はセットで持っておくといざというときに安心です。

♪駒が倒れないように駒の角度を都度確認する

乾燥が原因で、弦が全て緩んで駒が倒れていたという経験がある方、たくさんいらっしゃると思います。

駒は表板にくっついている訳ではないので、弦が緩んで駒が倒れていた場合は、駒の角度に注意しながら弦を張っていくと同時に、魂柱が倒れていないかどうかも必ず確認をしてください。

魂柱が倒れていたら自分では直せないので、早急に職人さんにお願いしてください。

いかがでしたか?
乾燥時期に備えて頭の片隅に知識として覚えていただけると嬉しいです。

※この記事は、葉加瀬アカデミー専属バイオリニストAyaさんが書いた原稿を、担当者が編集したものです。

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