音階練習や基礎練習はなぜ大切なの?効果的な練習方法とは?
2021.09.17

こんにちは。葉加瀬アカデミー専属バイオリニストのAyaです。

ついつい後回しになりがちな音階練習や基礎練習。

お仕事や学校が終わった後、またはお子さんを寝かしつけ終わった後に練習される方も多いと思います。そんな時、練習できる時間って限られていませんか?私は子供を持つようになってから、今は何が優先なのかを考える日々で、現状、練習時間は減る一方でどうしても限られています。

今回は、音階練習や基礎練習はなぜ大切なのか、どのような練習方法が効果的かを考えていきたいと思います。また、実際に私が行っている練習方法をご紹介いたします。

【「私が1時間の練習時間を与えられたら、50分は音階を弾き、残りの10分で曲を仕上げてみせる」】

20世紀最大といってもいいでしょう、バイオリニストのハイフェッツの言葉です。まだ音大の受験を考えていなかった頃に偶然目にした言葉で、当時は衝撃を受けたのを覚えています。

また、「1日練習しないと自分に分かる。2日だと批評家に分かる。3日となれば聴衆に分かる」という名言も有名ですが、今目にしても胸に突き刺さる言葉です。

【なぜ音階練習や基礎練習は大切なの?】

まず、音程感を身につけるためには「音階練習」が必須です。指と指の間隔がどのくらい空くのか、指の並べ方はこれでいいのか、音色はどうか等を確認するのは、曲を弾いている時にはなかなかできないので、音階練習での確認が有効になってきます。

また、基礎練習を行うことで、移弦・ロングトーン・重音などといった技術が身につきます。音階練習や基礎練習には、今取り組んでいる曲をより弾きやすくする効果があります。

【効果的な練習の仕方】

皆さんは目的を持って練習をされていますか?また、時間が限られている中で、20~30分時間が取れたらどのような練習をしますか?

おそらく、今レッスンなどで弾かれている曲を集中して練習されていると思います。実際にどのような練習がいいのか、私が実践している方法をご紹介していきます。

①練習目的は何かその都度決める

目的がなく練習していると、なんとなく時間が経ってしまいますので、練習目的を持つことをお勧めします。「隣の弦に触れないようにしよう」「音程をよくしたい」「右腕は弦によって角度を変えられるか」など、小さなことでいいのです。

あまり大きな目的を掲げてしまうと、練習を終えた時に「できたかな?」などと疑問が残ってしまうこともありますので、例えば「この小節のこの音程が取れるように」など具体的に目的を決めると、達成感も出てきて、次の練習のモチベーションにも繋がると思います。

②鏡の前で練習する

これはかなり有効です。皆さんは鏡の前で練習していますか?

鏡を見ると思いがけない発見があります。どうしたら憧れのあの人のフォームに近づけるか、自分のフォームをチェックするのもお勧めです。

③メトロノームを使う

これは色々なコラムで書いていますので、目にされた方も多いかと思います。メトロノームを使うことで、「上手くなっている」のが実感しやすいように思います。

うまくいかない時はテンポを少し遅くして、まずは弾けるテンポで弾いてみます。数回弾いてみて、弾けたら5ずつテンポを上げていきましょう。ゲーム感覚でできると思うので、「気づいたら弾けるようになっていた」という嬉しい声も聞きます。

ただし、このメトロノームですが、つまずいている箇所だったり、初期の練習で使ってください。曲が完成間近の時などにメトロノームを使ってしまうと、機械的な音楽になりがちなので、お気をつけください。

④自分の演奏の動画を撮影、録音をする

昔はボイスレコーダーなどで録音していましたが、今ではスマホで手軽に録音や録画ができます。

自分の演奏を客観的に見られるので、お勧めです。ご自分の演奏を見るのには勇気がいるという声も聞きますが、自分の演奏を振り返るのはとても大切です。

録画などをする時に大切なことは、録画した映像を見て、何が良いか、何が改善点かを分析することです。これをしっかりと行うことで、今後の演奏にも繋がっていくと思います。

⑤演奏動画を見る

私はYouTubeに上がっている動画演奏を参考にしています。ボウイングやフィンガリングや表現などで悩んだことがすぐに解決できます。人の演奏を聴くことで、「こういう表現もある」「こんなフィンガリングもある」など発見がたくさんあり、自分の引き出しが増えるはずです。

演奏者によって違いがありますので、できれば聴き比べをするとなお良いです。その中から、自分にとっていいフィンガリングやボウイングを生み出しましょう。

⑥次に練習したい所に目印をつけておく

レッスンや練習が終わってから、次回の練習の時に何をするか、課題があったら目印をつけておきます。

練習が終わった直後には「次は〇〇を練習しよう」「〇〇の部分練習」などと覚えていても、書き留めておかないと案外忘れてしまいます。お勧めなのが「付箋」です。付箋にメモ書きをしたり、練習したい部分に貼っておくことで、次に練習する時にポイントが明確になるので、効率のいい練習ができるように感じます。

【時間がない方のためのお勧めの練習方法】

冒頭にも書きましたが、どうしても音階練習や基礎練習は後回しにしがちです。そこでお勧めの練習方法をご紹介します。

それは…

「曲で音階練習や基礎練習をする」

です。「?」の方が多いと思いますが、Lesson A05-02-01 「主よ人の望みの喜びを」 の楽譜を見てみましょう。

※正会員様はリンクから教材をご覧いただけます。

よ〜く見ると実は、曲の中に音階や分散和音があるんです。部分練習の際に、2拍ずつ伸ばして音程を確認したり、指の押さえ方やボウイングの確認をしたりと練習方法は様々です。ぜひ探してみてくださいね。

いかがでしたか?

目的を持った練習をするとものすごく効率が上がります。また、曲を練習する中で、音階で動いている部分や分散和音で動いている部分をピックアップして音階練習や基礎練習とするのも、時間に限りがある方にとっては一石二鳥ですね♪

※この記事は、葉加瀬アカデミー専属バイオリニストAyaさんが書いた原稿を、担当者が編集したものです。

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